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靜照庵だより整体とその周辺の話題を取り
上げ、お話していきます。私自身の整体感のようなものを感じていただければと思います。 木村さんのリンゴ・・・・・2008.9.16
『奇跡のリンゴ』石川拓治著 幻冬社刊です。 2年前の文章は、NHK「プロフェッショナル・仕事の流義」を見てのものなのですが、この本は、新たな取材を元に、テレビでは伝え切れなかった様々なエピソードが紹介されており、改めて、感動を覚えました。 この本の帯には次のように書かれています。 「人が生きていくために、経験や知識は欠かせない。何かをなすためには、経験や知識を積み重ねる必要がある。だから経験や知識のない人を、世の中ではバカという。けれど人が真に新しい何かに挑むとき、最大の壁になるのはしばしばその経験や知識なのだ。木村はひとつ失敗をするたびに、ひとつの常識を捨てた。そうして無垢の心でリンゴの木を眺めることが出来るようになったのだ。」 リンゴの木を無農薬で育てるということが、いかに無謀なことであるか知るには自然食品店に行ってみればいい。そこにはボルドー液3回使用、等と書かれているはずである。 無農薬ではリンゴは作れない、それが常識なのだ。 これには、ヨーロッパから新大陸アメリカに渡ってより大きく、より甘く改良を加えられたリンゴは、もはや、農薬の助け無しには、害虫とも病気とも戦う力を失ってしまったという背景がある。 ニンニク、ワサビ、卵の白身、牛乳、石鹸、酢・・・そして泥水まで農薬の代わりになりそうなものは手当たりしだい試した。それでも木村さんのリンゴ畑は花が咲かないばかりか、木も次々と枯れていった。 万策尽きた85年夏、一本の太いロープを手に山に登った。自ら命を絶とうと決心したのだ。 ちょうどいい具合の木を見つけ、ロープを投げた瞬間、ロープの端がするりと指を抜けた。ロープを拾いに斜面を降りかけたとき、そこに木村さんはリンゴの木の幻を見る。それは見事なりんごの木だった。ロープを拾うことも忘れその木に駆け寄った。近寄ってみるとそれは、ドングリの木だった。 でもそんなことはどうでも良かった。 6年の間、探し続けた答えが目の前にあった。 この椎の木だけではない。 森の木々は、農薬など必要としていないのだ。 そこに足を踏み入れた瞬間に、木村さんはその理由を悟っていた。 足が沈むくらいふかふかで、畑の土とはまるで別物だった。草を引けば土のついた根が先端まで抜けた。この軟らかな土は、この場所に棲む生きとし生けるものすべての合作なのだ。落葉と枯れた草が何年も積み重なり、それを虫や微生物が分解して土が出来る。そこに落ちたドングリや草の種が、根を伸ばしながら、土の深い部分まで耕していく。 自分は今まで、リンゴの木の見える部分だけ、地上のことだけを考えていた。リンゴの根のことを忘れていた。農薬のかわりに、虫や病気を殺してくれる物質を探していただけなのだ。堆肥を施し、雑草を刈って、リンゴの木を周囲の自然から離して栽培しようとしていた。リンゴの木の命とは何かということを考えなかった。農薬を使わなくても、農薬を使っていたのと同じことだ。病気や虫のせいで、リンゴの木が弱ってしまったのだとばかり思っていた。そうではない。虫や病気は、むしろ結果なのだ。リンゴの木が弱っていたから、虫や病気が大発生したのだ。 それ以来、木村さんはリンゴ畑の雑草を刈るのをやめた。 すると、様々な虫が集まり、それを狙って蛙がやってきた。蛇もやってきて、野ネズミや野ウサギまで姿を見せるようになった。それにつれて、木村さんのリンゴ畑の土壌は、年を追うごとにふかふかになり、あの森の土に近づいていった。 そして無農薬栽培を始めて9年目の春、とうとうリンゴ畑一面の花を咲かせる。 木村さんは語る。「農薬を使わなくなってわかったことがあるのな。農薬を使っていると、リンゴの木が病気や虫と戦う力を衰えさせてしまうのさ。楽するからいけないんだと思う。クルマにばっかり乗っていると、足腰が弱くなるでしょう。同じことが起きるわけ。人間も農薬さえ撒けばいいから病気や虫をちゃんと見る必要がなくなるわけだ。」 木村さんの虫たちの観察のエピソードは目からうろこの連続だ。例えば、「・・・害虫だと思っていたのに、よく見たらかわいい顔しているんだからな。自然って面白いもんだと思って、今度は益虫の顔を見たわけ。害虫を食べてくれるありがたい虫だよな。ところが、これが怖い顔してるの。クサカゲロウなんてさ、まるで映画に出てくる怪獣みたいな顔してるんだよ。ああそうなんだと、人間は自分の都合で害虫だの益虫だの言っているけど、葉を食べる毛虫は草食動物だから平和な顔してる。その虫を食べる益虫は肉食獣だものな、獰猛な顔してるのも当たり前だよ。」 ファーブル顔負けの無垢な観察眼が光る。 もとより、人間の都合で改良されたリンゴの木は本来の自然ではない。それを自然の生態系と調和させるには、緻密な観察に裏付けられた、剪定をはじめとする手入れが必要なのは言うまでもない。 より大きく、より甘く改良を加えられたリンゴ・・・それは今日の人間の姿そのものだ。 クルマに頼り、弱った足腰。インターネットの発達による仕事環境の劇的変化は、脊柱起立筋をはじめとする、体幹や頚(くび)の硬直を招き、目、脳に大きな影響を与える。携帯電話でいつも誰かとつながっているかわりに心の緊張が解けることがない。地球環境の悪化も深刻だ。 からだへのストレスと、心へのストレスが同時に進行している。どれ一つとっても、たやすく解決できる問題はない。 過去の経験や知識に頼っていては、目の前の相手の命をあるがままに見ることはできない。 常識を捨て、無垢の心で人をみることから始めよう。そこから、生きる力を引き出すのが本来の整体の仕事だ。病気治しではないのだ。 とても難しいことだけど、そうすればここにも、『奇跡のリンゴ』はきっと実るはずだ。 右肩上がりと食欲の関係・・・・・2008.7.8
これについては、【症状について】の「肩こり、首のこり」の項に書いたことと関連するのでここに書き出してみます。 「特にこりが右肩に集中するようなら食べすぎも疑った方が良いでしょう。これは胃に関係する胸椎6番から9番の左側が硬直を起こし、左に傾いた椎骨が右側の僧帽筋を引っ張ることによるものです。」 ということは、右肩を上げてやれば左側の硬直が緩み、また食べられるようになる。それが習慣となり、いつしか右肩上がりの体型に・・・というのが私の推理。 高橋迪雄著『正體術矯正法』にも、その理由については書かれていませんが、しばしば登場します。 「からだの痩せているのは食べ物を沢山とらないためだと考へたので、いろいろ自分で工風したあげく、偶然食事の時箸を持つ方の肩、すなわち右肩をあげて食べると、いくらでも食べられることを発見」したけれど、そのためか、盲腸炎で一時死にそうになった人の話もあります。 私の友人にも毎年、春と秋にパリを中心にグルメツアーの案内役として行くのを仕事としてしているのがおりましたが、出発の前、何日かは、いっぱい食べて胃を大きくしていくんだと話していました。彼はそうして右肩上がりの職業のからだを作って、仕事に臨んだのでしょう。でもそんな無理がたたったのか、若くしてガンで亡くなってしまいました。 また同書の別のところでは、「右肩上りですから、御飯はおいしい筈で、念のため聞いて見ましたが、食欲は人をおどろかす程だといふことでした。そして動悸の故障さへなほれば、申分ないと主張するのです。・・中略・・こんな姿勢の人の心臓の悪いのは、要するに左肩と右肩と同じ高さにすればなほるのですが、いヽかげんにやると度がすぎて左肩が上り、今度は胃がわるくなったり、」とあります。 右肩上り(左肩下り)・・・食欲は旺盛だが心臓に負担あり 左肩上り(右肩下り)・・・食欲がない、胃がわるい ということは言えそうです。だからといって、上がった右肩を意識的に下げようとしても無駄というもの。からだはすべてつながっています。無理に姿勢を正しても、必ず他にひずみが出ます。足、脚、股関節、腰から整えていかなければなりません。 事実、靜照庵にいらっしゃる、右肩上りさんたちも、足から整えて行くと、自然に肩の左右差がなくなります。するといつの間にか、食べていても、もういらないという感覚がはっきりしてくるそうです。結果、むやみに食べることもなくなり、体重も減ってくるのは道理です。 整体の目的は決してダイエットではありませんが、からだが整ってくれば、当然、からだの歪みを支えていた無駄なお肉は必要なくなり、消滅します。 そんな、整体では副次的効果ともいうべきものに興味を示される方も近頃多いのですが、入り口はどうあろうと目指すところは同じですので問題ありません。自分のからだに興味を持つこと、楽しむこと、そして続けること、それがいちばん大切なことですから。 「気のせい」を気にする・・・・・2008.1.20気になるからわざわざ来たのに「気のせいでしょう。」の一言ですませられた。なんて経験ありま せんか。気になるようならと精神安定剤の一つも処方されて。どんな気のせいか調べもせずに。
検査をして数値に異常が出なければ、病気とは認められない。というのが西洋医学の立場であるな ら、何もするわけにはいかないのは当然でしょう。一方、東洋医学では上工(工は医者の意)は未病 を治すという言葉があるとおり、発症する前の段階を大切にします。 これは整体でも同じです。いやむしろそこにこそ整体の真骨頂があるといえるかもしれません。 気になるときにはどこかに気の流れのつかえがあり、それが体のゆがみに現れます。この段階でいら していただければ早いし楽なのですが、かなり症状が悪化してからこられる方が多いのが現実です。 万病の元といわれる風邪でも、気のせいか肩や首の辺りが重いといった前駆症状が必ずあります。 この時、肩や首をちょっと緩めただけでも、引かずに済んだり、引いてもすぐ直ってしまうことが多 いのですが、無理を続けたり、薬で症状を止めたりしていると長引いたり、こじらせてそれこそ万病の 元となったりするのです。 脅かすわけではありませんが、「気のせいじゃないの」と言われて、「そうかしらねー」で済ま せていると、いよいよ大変な事態になってくるかもしれません。 「気のせい」を気にすることは大切なこと。でもそれだけでは今度はストレスの原因になって しまいますから、しっかりと原因を突き止め、始末をつけることが必要ですね。 人のからだもまた自然・・・・・2006.12.1
その人、木村さんの畑は雑草が伸び放題。その根は土壌をふかふかに耕し、豊かな生態系を育み、害虫を食べる益虫も繁殖するのだとい う。 ここでの木村さんの仕事は、人工的にりんごを育てるのではなく、りんごが本来持っている力を引き出し、育ちやすい環境を整えること。 そして考えるのはいつも、りんごの木は喜んでいるか、土は喜んでいるか。 あくまでも主人公はりんごの木なのだ。 ところでそれが整体と何の関係があるの?と疑問を持たれたかもしれません。私がこれを見て思ったのは整体もまた同じということです。 整体の仕事は人の中の自然に働きかけることです。 ともすれば、日々の忙しさの中で忘れられがちな私たちのからだ。ストレスの多い社会、昼夜の区別がなくなった生活は交感神経過多 の状態を生み、イライラ、不眠、慢性的な疲労感となってあらわれます。 そのような変調をきたしたときあなたならどうされますか?お酒を飲んで気を紛らわす、薬やサプリメントを飲む。それも一つの方法か もしれません。 整体では、まずあなたのからだに訊くことからはじめます。そしてどうしたらあなたのからだが喜んでくれるか、気持ちよく働いてくれ るようになるか。それだけを考えてからだを整えていきます。ちょうど木村さんがりんごの木たちのためにふかふかの土壌を用意したよう に。 私のできることはただそれだけです。 薬もサプリメントもお出しできなければ、湿布薬をお渡しすることすらできません。私の目が薬であり、手のひらがサプリメントなので す。 かといって何も私の目や手のひらに魔力が宿るわけではありません。あなたの内にあるからだの働きを引き出すため、少しお手伝いする だけです。 薬もサプリメントもあなた自身の中にあるのですから。 散歩をしよう・・・・・2006.10.1
以前は成人病といわれていたものが今は生活習慣病と改められています。なぜでしょうか? それは同じものが子供にも出てきたからでしょう。子供が成人病ではちょっと具合が悪い。最近ではペットの糖尿病なんかも増えている らしい。では共通するその生活習慣とは? 歩かない生活習慣と、食べ過ぎる生活習慣でしょう。歩かないとどうなるか?これを身をもって実験した人たちがいます。そう、宇宙 飛行士です。ロシアの宇宙ステーション「ミュール」で4ヶ月過ごした宇宙飛行士の帰還後の状態は筋組織で40%、骨量で12%の減少が見ら れたといいます。常に重力の負荷がかかることによって骨の再生が行われ、筋力の維持もできるのです。 さらに歩くことは、足、すね、太ももの筋肉が収縮することにより末端まで行った血液を心臓に還流させるいわゆるミルキングアクショ ンの作用により血液の循環をよくするはたらきもあります。もちろん余分なカロリーの燃焼も助けますから食べすぎから来るさまざまな問 題も解決してくれます。 いいことずくめの散歩・・・でも、ひざが痛かったり、腰が痛いのをがまんして無理な姿勢で歩いてはかえって逆効果ですからしっかり なおしてから始めてくださいね。⇒膝痛 静照庵には長年のひざの痛みがなくなって歩くのが楽しみになったという方もたくさんいらっしゃいます。散歩はしたいけど、す ぐ疲れてしまうから、ひざが痛いからとあきらめないでぜひ一度お越しください。 ただ私が散歩に出ているかもしれませんのでご予約を。 整体は非常識?・・・・・2006.7.1整体は非常識です。 だって風邪をひいて熱を出したら、それは良かったですね、もう少し出るといいんですけどね、と言っ たりします。 咳だろうが、しゃっくりだろうが、下痢だろうが、汗だろうが同じこと。基本的に、出るものはしっかりと出す、それが整体の常識 です。 ところが世間一般の常識はちょっと違うようです。熱が出たらすぐ下げる,下痢をしたらすぐ止め る、アトピーは薬を塗って抑える、汗は出る前に制汗スプレーでシュッ。 ああ、なんて可哀そうな事を、と思います。熱はせっかくウィルスと戦おうとやる気満々だったの に、腸は悪いものを出そうと必死だったのに、アトピーだって身体の中の毒を外に出したかっただけ なのに押し込められてしまう。汗だってすっきりかいて、しっとりとしたお肌作りのお役に立てばと 思っていた矢先にシュッ、では浮かばれません。 一生懸命働こうとしてたところへ働くなと言われたら、次に、今度は働けといわれても素直になれ ないのが人情(からだの情?)と言うもの。まして、これが毎度となってはなおさらのこと、もうて こでも動きません。 そこで、またぞろ薬のお世話になったり、今はやりのサプリメントの登場となるしだい。何か、派 遣社員に仕事を任せて正社員は昼寝をしている会社みたいですね。それで安泰ならいいのですが・・・ 。 そうは問屋が卸しません。一度怠け癖がついてしまった身体はそうやすやすと元の仕事に戻っては くれません。忘れてしまうのです。 そんなの人ごとだと思っているあなた、ちょっと頭痛がするからと鎮痛剤を飲んだり、胃の調子が 悪いと言いながら薬を飲んで胃をだまし、食べたり飲んだりすることはありませんか?
でも時には、からだの言い分も聞いてあげませんか。整体が非常識か、世間の常識がおかしいか、 あなたのからだが答えを出してくれるでしょう。 花粉症は誰のせい?・・・・・2006.5.1今年もまた花粉症の季節がやってきました。巷では、ちょっと物々しい超立体マスクから保護メガネ、鼻洗浄スプレー、甜茶、空気洗浄 器、果てはアレルギー対応洗濯乾燥機まで関連グッズ、薬品、食品、電化製品の花盛り。 4人に1人が花粉症患者といわれる今の日本、またとないビジネスチャンスを逃してはなるものかと企業がこぞって商品開発に血眼にな るのもうなずけます。 でもちょっと待ってください。花粉症って本当に花粉だけが悪いの?日本では主にスギ、ヒノキの花粉が原因といわれていますが北米で はブタクサ、ヨーロッパではイネ科植物と、原因となる植物は様々です。発症のしくみは、これら抗原となる植物の花粉に何度もさらされ ると、体内にIgE抗体といわれるものが出来、次にその花粉にさらされたとき、反応をおこし、セロトニン、ヒスタミンといった化学物質が 放出され、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状となって表れるのです。 その他、大気汚染、食生活、住環境の変化、ストレスなども影響を与えているといわれていますが、ここに一つの興味深い話があります 。寄生虫学者である藤田紘一郎氏は、近年の日本における花粉症、アトピー性皮膚炎の急増にもかかわらず、インドネシアやアフリカなど 寄生虫の多いところに長年住む在留邦人にはこれらアレルギーに苦しんでいる人が少ないのに疑問を持ち調べたところ、寄生虫がヒトに感 染すると多量のIgE抗体が体内に作られることを発見した。しかもこの抗体は非活性なため、花粉やダニ抗原とはまったく結合しないタイプ だという。 でも寄生虫感染率ほぼ0%の超衛生大国日本でいまさら虫の居所を作ろうったって、ちょっと虫のいい話。 さて整体ではこれをどうみるか?ズバリ、からだの硬直に原因があると考えます。春の訪れをいち早く察知し、子孫を残す活動を開始す るのは生物としての本能です。そのために必要な柔軟な身体を取り戻すため、花粉の力を借りてでもくしゃみをしたり涙を流したりして、 必死に緩めようとしているのです。 したがって整体では症状を抑えるのではなく、操法や体操で、特にリンパの集中する肋間を中心に 緩めることにより、免疫系の正常な働きをとりもどし花粉症を必要としないからだづくりを目指します。 風邪と上手につきあう法・・・・・2005.12.1
それぞれ秘伝の方法をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、大きく分ければこの二つになるでしょう。因みに1.を実践しておられる お医者様も多いとか。 ここで、整体では風邪をどのように考えているかお話しましょう。整体では風邪はからだの偏りの修正であるとみています。試しに風邪 で熱が出たとき、左右の体温を測ってみてください。同じではないはずです。からだに偏りがあるからです。 からだの偏りは人によってさまざまです。頭や目の使いすぎ、食べすぎによる消化器への負担、栄養過剰による腎臓への負担等など・・・。それらの偏りを修正するためにウイルスの力を借りて熱を出し身体をリフレッシュするのが風邪なのです。 最近問題になっているインフルエンザ脳症についても強力な解熱剤の影響が判明し、むやみに熱を下げることの危険性を、厚生労働省も認めています。 「発熱は体内に入ったウイルスを退治するための防御反応である」というところまではようやく理解されるようになってきましたが、さらに「熱は体内の悪い細胞も退治し、同時に元気な細胞を活性化させる働きがある」ことまではまだのようです。 少し高めの熱が引いた後のなんともいえない爽快感を感じたことはどなたにもあると思うのですが。風邪をひく必要のないからだ・・・は理想ですが、全身を使って何かするといった機会も少なく、ストレスの多い現代では偏り疲労を起こさないほうが不思議です。 空気が乾燥し、ウイルスの活動も活発になるこれからの季節、水分を十分に取り、質の高い睡眠でからだを緩めておくのが一番ですが、もし風邪をひいたらチャンスと思い積極的に熱を利用して身体をリフレッシュしてみませんか? 季節の変わり目に上手に風邪をひける人は大病をすることもありません。風邪もひかない元気な人は実は身体が硬直し、鈍くなって風邪をひけない人なのです。 まず風邪をひけるからだを作ること、それが整体への第一歩です。 食欲の秋の正体は?・・・・・2005.9.1皆さん、今年の夏はしっかりと汗をかけましたか?一年の内で一番さわやかな季節を迎え、食欲モリモリという方も多いのではないでしょうか? 汗と食欲、一見何の関係もなさそうなこの二つ、実は大ありなのです。秋に入り気温も低くなってくると汗をかく量も減ってきます。夏場十分に汗をかけた方は腎臓にも余裕があり、尿として排泄できるのですが、一日中冷房の中で過ごし、汗を出す機会の少なかった方はこの時期腎臓は疲労しており、処理し切れなかった分が胃にまわり、胃酸が過剰に分泌され食欲となって表れるのです。 食べすぎはからだの硬直を招き、肩こり、首が回らない、腰が重い、ひざが痛い等の症状の原因となるばかりでなく、高血圧、糖尿病、痛風、肝硬変、ガン等、いわゆる生活習慣病とも深い関係があります。 自然のサイクルの中で暮らしていた時代には、厳しい寒さに備え皮下脂肪を蓄えるという意味合いもあったでしょうが、室内は常に適温にコントロールされ、身体を使う労働も少なくなった現代では食欲の秋も程ほどにと言うことでしょうか。 最後にこの夏いい汗をかけたかどうか御自身でチエックしてみましょう。両手のひらで首を触りスベスベ、ツヤツヤなら合格。そうでなければ・・・、スポーツの秋にかけてみるという手も・・・。 |